植民地時代が舞台の韓国映画「暗殺」大ヒット なぜいま

戦後70年の今年、韓国で日本の植民地支配下にあった時代を題材にした映画「暗殺 DVD」が大ヒットとなった。観客動員数約1270万人は歴代7位の記録で、国民の4人に1人が見た計算になる。今後も植民地時代の映画は続くという。なぜその時代が受けるのか。

 1930年代のソウル。日本統治時代は「京城」と呼ばれた。その象徴とも言えるきらびやかでモダンな「三越百貨店」で、独立軍の若者たちが対日協力者の結婚式を襲撃する――。「韓国映画 暗殺 DVD」の主演チョン・ジヒョンは、日本でも知られる「猟奇的な彼女」のヒロイン。架空の女狙撃手が活躍する、涙あり笑いありのアクション映画だ。イ・ジョンジェやハ・ジョンウらトップ俳優も出演している。ここまでのヒットは制作陣にとっても想定外だったという。

暗殺 DVD


 暗殺 DVD公開は7月下旬。韓国では植民地支配から解放70年の8月15日の「光復節」に向け、「抗日愛国」に焦点を当てたニュースが飛び交っていた。映画を見た銀行員の金修顕(キムスヒョン)さん(42)は「愛国心を刺激するものを求める社会の雰囲気が人気につながった」と感じるという。大学講師の金大源(キムデウォン)さん(34)は「女性独立運動家が斬新でかっこいい。日本人よりも祖国を裏切った対日協力者を非難している点で、これまでにない映画だった」と話す。

 韓国では近年、格差の象徴である財閥に対し、庶民の反感が強まっている。大韓航空の「ナッツ・リターン事件」やロッテのお家騒動も記憶に新しい。映画研究者の李英載(イヨンジェ)さん(41)は「民族を裏切って私腹を肥やす対日協力者と財閥のイメージが重なり、それを断罪するストーリーに共感が集まったのではないか」と分析する。  
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2016年05月05日 Posted by rinae at 10:57Comments(0)韓国ドラマ